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貴方のご意見も東京国公にお寄せ下さい。メールで文書を送っていただければと思います。 厚労省若手チームが働き方改革を提言
20~30代が中心の職員38人による「厚労省改革若手チーム」が4月に発足し、8月26日に、業務や組織の改革のため、根本匠厚労相に対し緊急提言をしました。この内容はマスコミ各社でも大々的に取り上げられましたが、この提言に関して東京国公にはテレ朝、朝日新聞などから取材がありました。霞国公のアンケート結果と今回の提言内容の整合性、一致点、相違点、長時間残業に関わる労働組合の見解などに関してです。 『提言』内容は、人員不足の中での霞が関の厳しい業務実態やその改善の要求とは基本的に一致するものです。これは長年に亘る霞国公のアンケート調査などの粘り強い運動の反映でもあります。東京国公は引き続き霞国公、国公労連とも協力しつつ異常な残業実態の抜本是正、真の働き方改革を求め運動を強めたいと思っています。 ⇓提言内容⇓クリックを!
⇓テレ朝の報道⇓クリックを⇓ https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000162867.html ⇓報道内容の主なもの
朝日新聞デジタル 厚労省職員4割超、ハラスメント被害 「加害者が昇進」 浜田知宏2019年8月26日19時56分 ハラスメント撲滅や働き方改革の旗を振る厚生労働省で、セクハラ・パワハラ被害に遭った職員が4割超おり、仕事が多いと感じている職員は6割を超える――。そんな実態が、厚労省の若手チームが26日に根本匠厚労相に手渡した緊急の改革提言で明らかになった。統計不正問題などが相次ぐ現状を踏まえ、「不祥事対応ではなく、政策の検討に人や時間が投入されるべきだ」などと指摘した。 20~30代が中心の職員38人による「厚労省改革若手チーム」は4月に発足。職員約3800人にアンケート(有効回答1202人)を実施した。 「パワハラやセクハラ等を受けたことがある」と答えた人は46%おり、このうち54%が「人事上の不利益等を考慮して相談せず」「部局の相談員に相談しづらい」などとした。人事異動などが「適切になされていると思わない」は37%で、うち38%が「セクハラやパワハラを行っている幹部・職員が昇進を続けている」を理由に挙げた。 「業務量が多い」と感じている人は65%。業務量が増える原因は「人員不足」が67%で最多だった。「厚労省に入省して、人生の墓場に入った」「毎日、いつ辞めようかと考えている」などの声も寄せられた。 提言は、「圧倒的な人員不足」でミスや不祥事が起きやすくなっていると指摘。職員の増員や業務の効率化、人事制度の改善などを求めた。(浜田知宏) ヤフーデジタルニュース 「人生の墓場に入ったとずっと思っている」。厚労省の職員や退職者の叫びと改革への動き 8/26(月) 18:41配信 Kensuke Seya / BuzzFeed 厚生労働省の働き方改革に取り組む若手チームが8月26日、組織の改革をするため、根本匠厚労相に対し、緊急提言をした。根本厚労相は、提言を受け取ると「多岐にわたる提言を述べてくれ、心から感謝を申し上げます」と返した。【BuzzFeedJapan / 瀬谷健介】 厚労省は4月、業務改革の取り組みを進めるために若手チームを結成した。 若手チームは20、30代を中心とする38人の職員で構成。省内に18あるすべての人事グループからなるという。 今回の提言の内容は、厚労省の業務・組織のあり方についてのもので、これまで省内の幹部や若手の職員に対してヒアリングや対話、アンケート調査を行うなどして取りまとめた。ヒアリングにあたっては、退職者も対象に入れたという。 なぜ業務改革を進めたいのか。 提言によれば、日々の業務を減らして楽をしたい、待遇を良くしたいといった動機とのこと。 『AbemaNews』 「徹夜で資料作成」「圧倒的な人員不足」「暑い狭い暗い」厚生労働省の若手チームが改革案を提出 2019.08.26 15:20 厚生労働省の働き方をめぐって若手官僚らが26日午後、独自に実施した調査に基づいた提言書を根本匠大臣に渡し、その内容を公表した。 調査を行ったのは20~30代の職員38人からなる「厚労省改革若手チーム」で、省内の業務・組織のあり方を自由な発想で議論し、省改革につなげることを目的として、4月に省公認で結成されたという。 今回公表された報告書の中には、月に10万件近い電話を若手職員たちが受けている実態や徹夜での資料作成といった過酷な労働実態、「ハラスメントを行った職員が昇進している」といった実態から、「やめたい」「働きにくい」「希望がもてない」などと訴える厳しい意見も含まれており、マネジメントや人事制度の改善、スケジューラーやチャットシステムの活用といった具体的な提案をしていえる。(AbemaTV/『AbemaNews』より) 日経新聞デジタルニュース 厚労省職員、業務量「多い」65% 若手職員が調査 不祥事の温床に フォームの終わり 厚生労働省で働く職員の65%が業務量を「多い」と感じていることが、同省の調べで分かった。社会保障関連の業務が増えるなかで、働き方改革の旗を振る厚労省が内部で働き方に課題を抱えている。統計不正など相次ぐ不祥事の温床にもなっているとみられ、根本匠厚労相は対策に乗り出す意向を示した。 厚労省の若手チームが延べ約2300人に調査した。業務量が「非常に多い」と答えた職員は18%、「多い」は47%だった。負担を感じる業務の内容では、国会関連が63%でトップ。調整が44%、電話等対応が42%と続いた。 厚労省が担う社会保障の整備や雇用・労働対策の重要性は増す。自民党の調査では、職員1人あたりの国会答弁回数や委員会の出席時間、審議会の開催回数などが全省庁で最も多かった。 若手チームは26日、厚労相に緊急提言を渡した。オンラインでの議員説明を可能にしたり、人事機能を強化したりすることが柱だ。厚労相は「生きた提言となるよう、組織として考えていきたい」と述べ、対策に乗り出す考えを示した。厚労省改革を巡っては、自民党の有志議員も人員増を緊急に実施するよう求めている。
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残業代不払いは許さない! 労働基準監督官頑張りました 労働基準監督署が監督・調査に基づき是正させた未払い残業代是正は、2018年度(平成30年度)で125億6,381万円、企業数では歴代2位1,768社 厚生労働省は13日までに、残業をしたのに賃金が支払われない「サービス残業」(不払い残業)の2018年度の是正指導結果を公表しました。是正支払い額は125億6381万円。是正指導を受けた企業数は1768社で、17年度1870社に次いで歴代2位となりました。 集計は是正額が1社100万円を超える事例をまとめたもの。是正された労働者は、11万8837人(前年度比8万6398人減)。1000万円以上支払った企業は228社(同34社減)、平均額は1社当たり711万円、労働者1人当たり11万円でした。 17年度は宅配業者などの交通運輸業で1社約200億円もの是正があったため、是正金額は前年比320億7814万円減でした。 厚労省が調査を始めた01年度以降18年間の是正総額は3101億2500万円です。是正された労働者総数は248万9401人、企業総数は2万4398社にのぼります。
労働基準監督署が監督・調査に基づき是正させた未払い残業代等(厚労省ホームページ) *1企業で100万円以上不払い残業を支払った事案の集計 | 年 度 | 企業数(件) | 対象労働者数(百人) | 是正支払い総額(万) | 年 度 | 企業数(件) | 対象労働者数(百人) | 是正支払い総額(万) | 2003年度 | 1,184 | 1,947 | 2,387,466 | 2011年度 | 1,312 | 1,170 | 1,459,957 | 2004年度 | 1,437 | 1,691 | 2,261,314 | 2012年度 | 1,277 | 1,024 | 1,045,693 | 2005年度 | 1,524 | 1,680 | 2,329,500 | 2013年度 | 1,417 | 1,149 | 1,234,198 | 2006年度 | 1,679 | 1,826 | 2,271,485 | 2014年度 | 1,329 | 2,035 | 1,424,576 | 2007年度 | 1,728 | 1,795 | 2,724,261 | 2015年度 | 1,348 | 927 | 999,423 | 2008年度 | 1,553 | 1,807 | 1,961,351 | 2016年度 | 1,349 | 980 | 1,272,327 | 2009年度 | 1,221 | 1,119 | 1,160,298 | 2017年度 | 1,870 | 2,052 | 4,464,195 | 2010年度 | 1,386 | 1,152 | 1,232,358 | 2018年度 | 1,768 | 1,188 | 1,256,381 | | | | | | | | | | |
調査報告詳細 厚労省HP⇓クリックを! https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_00831.html
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国家公務員3万人削減 安倍内閣が新たな計画 サービス後退や健康破壊を加速させてはならない 安倍内閣は6月末、2020年度から5年間で3万927人の国家公務員を削減する新たな「定員合理化計画」を決定しました。約30万人の国家公務員の1割を削減するもので、国民の公務・公共サービスを後退させ、公務労働者の健康破壊を加速させるものです。 新たな合理化計画は安倍内閣のもとで公務員の管理統制を強めている内閣人事局長通知として出されました。 「総額人件費抑制」の方針に基づいて、これまで5年間で10%減の合理化計画を引き続き実施するものです。 省庁別の目標は、財務省7162人、国土交通省6176人、法務省5372人、厚生労働省3394人などとなっています。合理化目標の根拠については示されていません。 東京国公は断固抗議します 新たな計画では各省に対し毎年度、削減目標の5分の1を削減するよう求めています。 これまで新規増員は「厳に抑制」という方針が出されており、既存業務の増大については「自律的な組織内の再配置によることを原則」としています。 国・地方を合わせた日本の公務員数は国際的にもかなり少ないのが現状です。人口千人あたりで見ると、フランス89・5人、アメリカ64・1人に対し、日本は36・7人です。 更なる国家公務員の定数削減は、国民の命と財産、安全・安心を保障する業務にも支障が出ます。東京国公は断固抗議します。
詳しい数値を知りたい方はクリックを↴
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国家公務員の相談 パワハラが最多 2018年度人事院年次報告書(公務員白書)から 中央省庁などで働く国家校務員が2018年度、人事院に寄せた職場の悩み・相談は前年度比332件増の1,443件で、統計を始めた1951年以降最多であることが明らかにされました。6月14日人事院は年次報告書(公務員白書)が公表しましたが、相談内容は「パワハラ」が25.4%でトップでした。人事院はそのパワハラを一部公開していますが、部下を長時間立たせ「なんでこんなことができないのか!」と大声で叱責する上司のパワハラで、職場環境が悪化、職員が体調を崩す事例もあると指摘しています。パワハラに次いで多かったのはやはり勤務時間関連で21.3%でした。育児や介護に積極的に携わりたいとの考える職員が増える一方で、思うように休暇が取れない実態も紹介しています。国公労連の霞が関110番の電話でも東京国公への電話相談でも、この2つが特徴です。相次ぐ定数削減で長時間・過密労働の中、国家公務員職場全体がゆとりのない職場になっている反映かもしれません。労働組合としてもこの問題を正面に据えた運動が求められています。
☟年次報告書 人事院年次報告書(公務員白書).htm
☟年次報告書の中の相談に関わる部分 年次報告書(公務員白書)抜粋「風通しの良い職場環境作りに向けて」.pdf
事例の一部紹介☟ 【事例】パワー・ハラスメント上司は、通常上司と部下の間で行われる情報共有等の業務管理をせず、仕事の案件を上げると、その都度何かしら指摘し、大声で「何でこんなことができないのか。」などと言い、長時間にわたり部下を立たせたまま叱責をする。また、事前に報告している案件について、スケジュールが差し迫ってから、「こう指示しているはずだ。」と怒鳴ったり、指示したりするため、対応が困難な状況となっている。このような状況を課長も知っているが、上司は自分の考えが絶対で、課長の言うことも聞かない。このような上司への対応で、体調が悪くなっており、他の職員も疲弊している。業務運営に支障が生じるばかりか、自分を含め、職員の健康にも悪影響が出ることとなるため、早急に何とかしてほしい。 【事例】セクシュアル・ハラスメント私の部署のトップから、呼び捨てにされることに疑問を感じている。20代、30代の女性職員に対しては、仕事中でも「○○ちゃん」などの愛称で呼び、40代の女性職員に対しては、「おばちゃん」と呼ぶこともある。また、早期退職した女性職員について「ワガママなおばちゃん達」などと侮辱したりする。これまで、呼び捨てにされたことはなく、女性職員のことをおばちゃんと言う上司もいなかった。管理職の意識がこのようなものでいいのか。 【事例】妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメント妻が第一子を出産する予定であるため、夫である私が、育児休業をすることについて上司に相談したところ、「私の立場では駄目と言えないのは分かると思うけど、当然の権利だと思わないように。」等明らかに歓迎しない態度を取られた。
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連休初日、国家機関に働く非常勤(非正規)職員の方から、以下の手記が東京国公事務局に寄せられました。国家機関に働く非常勤職員さんは約7万人です。契約更新時の度に雇用不安に晒されながらも、国民の安全・安心を保障する行政サービスの最前線で日々奮闘されています。東京国公はまずは雇用不安をなくす無期雇用への転換と同一労働・同一賃金の原則にのっとった処遇改善を求めて、人事院や内閣官房人事院への要請等を繰り返し行ってきました。国家機関に働く非常勤(非正規)職員の問題を幅広く論議いただければ幸いです。
「非常勤職員の手記」 地方出先機関勤務 期間業務職員 女性 私は、公共事業の必要性を多くのみなさんに知って頂く広報の仕事を行っていました。各地から訪れるみなさんにわかりやすく理解して頂くために現地で「紙芝居」を使って説明する工夫や、小学生とのお手紙のやり取りなど、いろいろ考えこの仕事に誇りをもって取り組んできました。しかし、こんな形で退職を強いられ非常に残念です。今回の公募面接は明らかに違っていました。面接官の副所長に求人票にも記載のない「パワポや表計算はできないのか」「紙芝居をパワポにしたらどうか」「なぜ紙芝居にこだわるのか」など、野外での広報活動で電源も無いので難しいと答えましたが、今考えると不採用にする当て付けの質問だったと思います。現場を一度も見ていない人に、どんな思いで広報業務を行っているのかわかるのでしょうか。他の期間業務職員の面接でも「なぜ公募に応募したのか」「なぜ、他を受けないのか」「採用になった場合、部署が変わる、併任もある」などを繰り返し質問されるなど、不採用にしたいがための質問だったと聞きました。私の不採用理由を所属長に聞くと「経歴だけ見た」と言われました。この間の仕事の経験はまったく評価されないことがわかりました。今回のことで鬱になりそうなくらい心が折れています。心の整理が付かない状態でも生活のため求職活動もしなくてはなりません。広報の仕事はこれからも継続して行うと言っています。仕事があるのになぜ公募を行うのか理解できません。公務員の職場の雇用がなぜこんなに不安定なのか、こんな「パワハラ公募」は絶対に無くしてほしいです。
国家機関に働く非常勤職員とは 国の職場で働く「非常勤職員」とは、「期間業務職員」と「その他の非常勤職員」の二種類に別れます。期間業務職員とは「相当の期間任用される職員を就けるべき官職以外の官職である非常勤官職であって、1会計年度内に限って臨時的に置かれるものに就けるために任用される職員」と定義されています。しかし現実には、公務の職場で1会計年度内で終わる臨時的な官職などは少なく、正規の国家公務員と同様に継続任用と経験が求められ、そのことで公務・公共サービスに果たす役割は大きいものがあります。 なお「期間業務職員」と「その他の非常勤職員」の違いは、1日または週単位の労働時間で別れることとなります。「その他の非常勤職員」とは保護司や審議会等会議の委員などが含まれており、各省庁で「労働時間的」「人数的」に正規の国家公務員とともに中心的な労働力となっているのは「期間業務職員」の皆さんです。また期間業務職員が従事する業務は「臨時的」との前置きはありますが、「一般的な事務補助に従事」「専門的な技能を必要とする業務に従事」に別れ、事務補助職員の仕事をしている期間業務職員は、期間業務職員全体の33%を占めています。 期間業務職員の任期は上述のとおり「1会計年度内に限って臨時的に置かれる」ことから、その任期は「最長1年以内」が原則です。しかし「その任期満了後も引き続き期間業務職員の職務に従事させる必要が生じた場合」にはさらに1年の任期を更新することができますが、このような「更新」=「公募によらない採用」は「同一の者について連続2回を限度とするよう努めるもの」と規定されています。よって期間業務職員が任期を更新しながら継続任用できる期間は最長3年間に限定するよう人事院の通達上、要請されていることとなります。 以上の通り期間業務職員の大きな問題は、採用されてから3年後に雇い止めされるおそれがあるということです。一方、最長3年で継続任用が終わっても、同一の職場で再度の公募があり、応募することで「再採用」されることは可能とされています。また上述のように公募によらない採用は「同一の者について連続2回を限度」とは、あくまでも「努める」「要請」であって「連続2回を超えてはならない」というものではありません。以上の点から「期間業務職員は任期を設けて任用する」ことが原則としつつも、その任期は「業務の遂行に必要かつ十分な任期を定めるよう配慮」とあり、これらを総じて結局は各省庁の任命権者毎に「業務の内容により求められる能力の実証」と「1会計年度内に限って臨時的に置かれるもの」に配慮し「適正な任期」の判断が委ねられることとなります。 決して一律ではない人事院の通達の解釈により「再採用ゼロ(3年雇い止め?)」「5年経過後は再採用ゼロ(5年雇い止め?)」「5年経過後も再採用あり」のように、省庁によってここまで異なる運用があることは、国の職場で働く「期間業務職員」にとって重要な課題であり、正規の国家公務員とともに中心的な労働力でありながら、労働条件に関する法律・制度の位置付けがあいまいで、それ故に「不安定雇用」をはじめ多くの問題が発生しています。 ある省庁の地方出先機関では、「業務の遂行に必要かつ十分な任期」「公正、公平な能力の実証」の観点ではなく、「雇い止め」ありき、又は「雇い止めととられない為の不採用の理由作り」が目的ではないか?との不当な面接がおこなわれています。これまで期間業務職員として公務の職場で中心的な労働力としてがんばっていただいた方からすれば、理解しがたい理不尽な面接と不採用の結果に落胆し職場を去っています。(不採用となった方の想いを綴って頂いた手記も寄せられています)期間業務職員の雇用や任期の課題は、政府や人事院に「公募制度の撤廃」や民間同様の「無期化」への制度改正を求めていくべきですが、各省庁毎の運用、実態についてもしっかり目を向け、民間・公務問わず「不安定雇用を無くす」「労働者の権利を守る」ことを主眼に、問題を提起し運動方針を掲げていくべきです。
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国家公務員職場の人減らし ―防災の要の気象庁、安全・安心の砦地方整備局― 前日(2019年4月10日)、「国家公務員減らして国の借金増やして」と題する一文を資料も添えて掲載したところ大変な反響がありました。民間の組合員さん2名と一般の国民の方1名からは「国民を守る立場の国家公務員がそんなに減らされているなんて知らなかった。今自然災害が増えている状況の下で関連する公務員さんはどうなんでしょう?」との質問もありました。国家公務員職場中の気象、地方整備局に関わっては、手元にある資料の範囲でとりあえず今日、お答を掲載します。 災害の防止や軽減、災害発生時の応急対策などに必要な気象情報を発出している気象庁の職員は、ピーク時比べて1,500人も削減されています。下表の通りこの約10年でも約6,000人態勢が5,100人体制になっています。 気象庁では業務効率化のため、例えば全国各地にあった測候所を順次、無人化・自動観測化し、かつては全国の地方気象台のほかに90か所以上もあった測候所が、今では帯広と名瀬の2つしか設置されていません。無人化された測候所は「特別地域気象観測所」と名を改め、自動観測機器が置かれ、観測を続けています。しかし、人間による目視の観測は廃止されたため、雷・ひょう・竜巻といった特定の現象の把握や、初雪・初霜・初氷などの「季節観測」、さくらの開花・かえでの紅葉などの「生物季節観測」の統計はこれらの地点では途絶えています。又全国4か所あった海洋気象台も地方気象台に改組されました。全国の地方気象台で行われている目視による気象観測や宿直などの業務についても廃止や大幅な削減が余儀なくされようとしています。目視が求められる観測事業、人的配置による素早い関係機関との対応等々、気象事業は機械が人間にとって代わることはできない分野が少なくありません。 年次 | 2005年 | 2006年 | 2007年 | 2008年 | 2009年 | 2010年 | 2011年 | 定員 | 5,958人 | 5,877人 | 5,785人 | 5,700人 | 5,618人 | 5,539人 | 5,454人 |
年次 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 定員 | 5,392人 | 5,289人 | 5,225人 | 5,167人 | 5,169人 | 5,120人 |
*気象庁職員はこの12年間で838人、14%が削減されました。 日常の防災対策や防災施設の維持管理、災害発生時対応、通行不能な道路の復旧等々最前線での活動にあたっているのが、地方整備局の職員です。まさに国民の生命・財産・安全・安心を守る仕事そのものにあたっているのが地方整備局の職員です。ここも下表の通り容赦なく人員が削減されています。 年次 | 2004年 | 2006年 | 2008年 | 2010年 | 2012年 | 2014年 | 2016年 | 定員 | 23,596人 | 22,111人 | 21,567人 | 21,040人 | 20,557人 | 19,837人 | 19,373人 |
*地方整備局職員はこの13年間で4,223人、18%が削減されました。
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ここへ部屋は、国家公務員職場における仕事の内容を知ってもらい、国家が国民の安全・安心のために何をすべきなのか、ともに考えと思います。 11、シリーズ「国家公務員の仕事って?」 航空行政 10、シリーズ「国家公務員の仕事って?」 密輸は許さない!税関行政 9、シリーズ「国家公務員の仕事って?」 気象庁 8、シリーズ「国家公務員の仕事って?」 航空行政 7、国家公務員の仕事ってなあに-医療、介護、年金行政 6、シリーズ国家公務員の仕事って? 運輸行政 5、頑張ってる労働基準監督官-その2 4、頑張ってるねー労働基準監督官-その1 3、国家公務員の仕事って何に?労働行政-3 2、ハローワーク31歳の青年から「求職者に寄り添って 労働行政-2 1、シリーズ国家公務員の仕事って? 労働行政-1
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シリーズ「国家公務員の仕事って?」を開始するにあたって 国家公務員の役割には国民の皆さんの安全・安心に関わる仕事がたくさんあります。私たち東京国公は、国民の皆さん命と暮らしが守られるよう、微力ではありますが大いに奮闘したいと思っています。 一方、国の政策によって国民が苦しめられている実態もたくさんあります。とりわけ安倍政権下ではそれが顕著になっています。消費税増税、TPP、年金、医療、そして平和、、、等々、枚挙にいとまがありません。悪政には政策対置をもって国民の皆さんと共同して闘って行きたいと思っています。 国民の皆さんとの共同という点で、私たち国家公務員の仕事もみなさんに知っていただきたいと思い、本日から10回シリーズで、「国家公務員の仕事って?」と題して、その仕事の一端を紹介させていただきます。各回一週間トップページに掲載し、金曜日毎に次ぎの職場を紹介します。是非ご愛読下さい。 (東京国公事務局長:植松隆行) ≪国家公務員の仕事って? その1航空行政≫ 増大する航空需要に対応し「空」の安全・安心を守る 航空局は、航空管制業務や航空等の施設の維持管理、法律に基づいた許認可など、国内・国際を問わず「空の安全運航」を支えています。航空機の運航は国内のみならず、海外とのネットワークを形成して初めて安全や公共性が維持できるものであり、そのためにも国による均一・高質な航空行政の確立が不可欠です。また近年、首都圏航空の発着回数の増加、LCC(ローコストキャリア)の拡大などにより、航空交通量は、2000年の396万機から、2013年には589万機と約1.5倍も増加しています。 一方、航空の安全を支えている航空交通管制官は、繰り返される定員削減計画により、4642名(2000年)から4124人(2013年)と、約12%も大幅に削減されています。現在航空行政の職場は、大変厳しい職場になっており、そのような中でも、職員の奮闘で「空」の安全、正確な運航を支えているのが現状です。 今、「空」の安全、正確な運航のために必要なのは、定員削減計画を即時中止し、大幅な増員で航空行政を充実させることです。 【2016年4月22日記載】
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≪国家公務員の仕事って? その2 税関行政≫ 輸入食品や貨物の安全・安心確保 麻薬・拳銃など社会悪物品の密輸入は絶対許さない

税関は、財務省に組織されており、函館、東京、横浜、名古屋、大阪、神戸、門司、長崎および沖縄地区の9税関が設定され、全国を9つの地域に分けて管轄しています。 四面を海に囲まれているため、人や物の流れは港と空港を介して行われます。このような水際に税関が置かれており、外国から輸入される貨物や郵便物、日本から輸出される貨物、そして海外旅行等から帰国する旅客、訪日旅行者の携帯品等の検査や輸出入申告された貨物の書類審査、検査を最終的にチェックしています。 税関が果たしている役割は、1つは、大麻や覚醒剤等の不正薬物、偽ブランド品などの知的財産を侵害した物品、銃砲等密輸入を取締り国民の健康や安全を守ることです。 2つ目は適正・公平な課税と通関です。輸出貨物や輸入貨物は税関に輸出入申告しなければなりません。その申告が正しく行われているか、国内法令等によって必要な書類が添付されているか等を審査します。更に、輸入貨物は関税や消費税等が課されるので税の徴収を行っています。3つめは貿易秩序を維持する役割があります。このような役割を果たすために、税関は港や空港等で24時間の体制で業務を行っています。全国9つの税関で、税関職員は8,800名余です。しかし、増え続ける出入国の旅客や輸出入申告件数、税関行政に求められる様々なニーズに応えるには現在の人員では不足しています。 2020年に開催されるオリンピック・パラリンピックにむけた出入国体制の整備や「観光立国」をめざした2000万人を超える訪日旅行者の増加など税関を取り巻く環境は大きく変化していています、 更に、経済のグローバル化で、2国間や地域で協定を締結する自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)がすすめられています。最近では環太平洋貿易協定(TPP)が大筋合意され、新たな動きも始まっています。また、世界中に広がっているテロの脅威から、水際でのテロ対策の強化が図られています。 そのために、関税局・税関は手続きの簡素化や迅速化として、優良事業者制度(AEO制度)の導入や2019年までにペーパーレス・電子化して、100%の電子申告と「申告官署自由化制度」の導入をすすめています。 税関の仕事は、より複雑化、煩雑化しています。国民の安全と安心を守る税関職員が誇りを持って職務を全うできるだけの人員増が必要です。【2016年4月28日記載】
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≪国家公務員の仕事って? その3 気象行政≫ 気象情報の体制強化が国民の命と暮らしを守る 気象台は、気象観測、警報、注意報などの防災気象情報を発表し、都道府県や市町村、国の出先機関と連携して災害の予防、安全確保などに寄与しています。近年、自然災害が頻発している状況の下で、気象業務に対する期待はますます高まっており、災害から国民の命と財産を守る国の責務はいっそう重要となっています。 信頼される予報・防災業務を遂行してゆくためには、基礎となる気象の監視や精度の高い観測を行い、その結果に基づいた迅速で的確な気象情報を発表することが重要です。しかし、度重なる定員削減の一方で、気象情報の高度化、業務の複雑化が進み、異常気象時の応援体制を維持することも困難な状況になっています。 気象台は、市町村単位の情報提供と共に地域の方への啓発活動を継続的に行なうことが必要です。災害の防止には単に情報を発表するのではなく、情報が地域の方へ迅速かつ確実に伝わり、非難などの具体的な防災意識を高めることが大切です。気象情報の解説や知識の普及のための地域の拠点になる「気象防災センター」として充実させてゆく必要があります。 【減りつづける気象庁職員の定員。1980年から21.5%、1,412人の削減】 1980年度 | 1990年度 | 1995年度 | 2000年度 | 2005年度 | 2010年 | 2015年度 | 6,579人 | 6,307人 | 6,241人 | 6,133人 | 5,994人 | 5,539人 | 5,167人 |
【2016年5月17日】
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≪国家公務員の仕事って? その4 地方整備局・国土地理院≫ 国の出張機関の体制強化が国民や地域の安全・安心を守る 地方整備局及び国土地理院は、広域的な交通ネットワークの幹線国道や大規模な河川、港湾、航空、地理情報など社会基盤の整備や維持管理などを行っています。また、大規模災害対応やインフラの老朽化対策にも地方自治体と連携しながらあたっており、国民の安全・安心を守り、地域経済や日常生活を支えていくためにはなくてはならない国の機関です。 近年、全国各地で地震・豪雨・豪雪など国民の生命・財産が脅かされる自然災害が頻発しており、地方整備局及び国土地理院の出先機関である事務所・出張所、地方測量部が担う災害対応や防災対策の役割がいっそうの重要になっています。 その一方で、政府の定員削減計画により、これらの業務にあたる現場の人員は、この12年で約13%(約3,000名)が削減され、公共インフラの維持管理や大規模災害対応を行うための体制が年々弱められています。国民、地域の安全・安心に責任をもった行政体制にしてゆくために、事務所・出張所、地方測量部の体制拡充が必要です。 《地方整備局全体で12年間で約13%の人員(約3,000名)が削減》 2001年度 2005年度 2009年度 2013年度 23,178名 22,392名 21,294名 20,197名
【2016年5月20日】
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≪国家公務員の仕事って? その5 【厚生行政-地方厚生局】≫ 医療、介護、年金、福祉の保障 地方厚生局は、国民生活の保障、社会福祉、社会保障、公衆衛生の向上及び増進など、憲法25条に関わる行政を任務としています。しかし社会の実態は、年収200万以下の貧困層が給与所得者の4分の1近くに増え、消費税増税と社会保障の改悪により、貧困と格差や国民の生活不安が広がっています。 医療保険では、後期高齢者医療制度によるサービスの差別化が持ち込まれ、介護の現状も深刻化しています。少子高齢化による人口減少の問題が叫ばれる中、こうした国民生活を支え、安心して生活できる厚生行政の役割がいっそう重要となっています。 国から地方への事務・権限の委譲では、各地方自治体において専門的な知識や技術を有する人材とそれを支える予算を確保する必要がありますが、その不足が問題となっています。地方に丸投げするのではなく国の行政機関が責任をもって行うべきです。 また、社会保険庁を廃止発足した年金機構では、有期雇用職員が全体の6割という異常な実態となっています。複雑な年金制度に精通する職員の雇用確保と年金相談体制の拡充が、安心な年金制度の確立には不可欠です。
【2016年5月24日記載】

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≪国家公務員の仕事って? その6 【運輸行政】≫ 陸・海の交通運輸の安全・安心を守る 地方運輸局は、自動車や鉄道、船舶の分野で、運送事業の許認可や、事業者監査、交通機関への検査など公共交通の安全・安心を確保する業務などを担っています。 近年、交通運輸にかかる重大事故が頻発し、国民の安全が脅かされています。その要因として、1990年代から交通運輸の分野へ規制緩和が次々と導入され、事業への参入が容易となったことで事業者数が大幅に増加しました。さらに、事業者間の過当競争により、運賃・料金のダンピングが横行し、事業者の安全への投資の切り捨てや、運転者の労働条件の悪化、高齢化などの状況に拍車をかけています。 そうした中で、長野県軽井沢町で発生したスキーバス事故は、貸切バス事業者のずさんな運行管理の実態にくわえ、規制緩和の弊害が明らかになりました。 また、約12万の事業者にたいして、国による十分な監査が実施できる体制になっていない現状も改めて、浮き彫りとなりました。 こうした悲惨な事故をなくすためにも、規制緩和を抜本的に見直し、安全・安心を重視する規制の強化とともに、交通運輸労働者の労働条件の改善が急務となっています。物流や輸送は、国民全体の安定した生活に欠かすことができません。安全・安心の交通運輸行政の責務を果たすためにも、監視体制をはじめてとした地方運輸局の大幅な体制拡充が必要です。 【2016年5月26日掲載】

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ブラッキーな企業の残業代不払いは許さない! 労働基準監督署が監督・調査に基づき是正させた未払い残業代是正は、2013年度(平成25年度)で123億4,198万円 安倍政権の成長戦略の柱の一つが、長時間働いても残業代や深夜手当が支払わなくても済む制度の導入です。下表は2003年度から2013年度に労働基準監督署が監督・調査に基づき是正させた未払い残業代等(厚労省ホームページから*1企業で100万円以上不払い残業を支払わせた事案の集計)の集計結果です。年に1千数百社に労働基準監督官が立ち入り調査しただけで、年間100億円から200億円の不払い残業代があったわけです。こんな無法行為をまず根絶するのが先決ではないでしょうか。
労働基準監督署が監督・調査に基づき是正させた未払い残業代等(厚労省ホームページから) *1企業で100万円以上不払い残業を支払った事案の集計 | 年 度 | 企業数(件) | 対象労働者数(百人) | 是正支払い総額(万) | 年 度 | 企業数(件) | 対象労働者数(百人) | 是正支払い総額(万) | 2003年度 | 1,184 | 1,947 | 2,387,466 | 2009年度 | 1,221 | 1,119 | 1,160,298 | 2004年度 | 1,437 | 1,691 | 2,261,314 | 2010年度 | 1,386 | 1,152 | 1,232,358 | 2005年度 | 1,524 | 1,680 | 2,329,500 | 2011年度 | 1,312 | 1,170 | 1,459,957 | 2006年度 | 1,679 | 1,826 | 2,271,485 | 2012年度 | 1,277 | 1,024 | 1,045,693 | 2007年度 | 1,728 | 1,795 | 2,724,261 | 2013年度 | 1,417 | 1,149 | 1,234,198 | 2008年度 | 1,553 | 1,807 | 1,961,351 | | 15,718 | 16,360 | 20,067,881 |
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東電福島第一原発の廃炉作業を行う事業者に対する監督指導結果 監督実施事業者数724、違反事業者409事業者=違反率56.5% 被災地で労働者を守るため奔走する労働基準監督署職員 福島労働局(局長引地睦夫)は、東日本大震災に伴う東電福島第一原発における廃炉作業(以下「廃炉作業」という。)に従事する労働者の労働条件や安全衛生の確保を図るため、廃炉作業を行う事業者に対し、重点的な監督指導を実施しています。昨年の11月20日、平成23年3月11日~平成27年9月30日までの間に実施した監督指導の結果を取りまとめたものが、公表されました。違反していた事業者は何と56.5%との事です。国の責任があらためて問われます。 ところで、東電福島第一原子力発電所を所管しているのは、福島労働局富岡労働基準監督署です。東日本大震災の後、富岡町から避難し、いわき市中心部のJRいわき駅前のビルに仮事務所を構えて業務しているとの事です。国公労新聞1453号(2016年1月10日付け)によれば、在籍する職員は、労働基準監督官(所長、監督課長を含む)9名、事務官2名(労災課長を含めて)、技官1名、非常勤職員4名の16名体制とのことです。この陣容で原発廃炉や除染をはじめ、復興工事で事業所が拡大するなか、被災地での労働法規違反を根絶しようと日夜奔走しています。労働者の命と健康を守るためにも、増員を要求します。 ○監督実施事業者数724事業者 うち労働基準関係法令違反があった事業者409事業者(違反率56.5%) ○違反件数656件 労働条件関係406件(割増賃⾦の⽀払、労働時間、労働条件の明など)、安全衛生関係250件(線量当量の測定、保護具の着⽤、健康診断結果の報告など)、うち電離放射線障害防⽌規則違反関係113件その他の労働安全衛生法違反関係137件
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≪国家公務員の仕事って? その8 【労働行政-3】≫ ハローワークで働く30才の青年労働者から ~「多くの人が希望する条件で働いてもらいたい」~ ①理想と現実の違い 現在、労働局徴収課に在籍していますが、入省から6年間はハローワークの窓口で職業紹介業務や雇用保険適用業務を担当していました。 入省3年目に配属された職業紹介業務では、理想と現実の違いに戸惑いました。職業相談は、1人でも多くの求職者が希望する条件の下で働けるように支援することが役目であり、そのためには時間をかけて相談することが必要だと考えていました。しかし、現実は連年の定員削減で人手が足りず、待ち時間の長さに対して苦情が寄せられることがあり、利用者1人あたりにかける相談時間を極力短くする工夫が求められました。 職業相談では、相手が言いたいこと、考えていることをいち早くキャッチして相談することの難しさを経験しました。 ②どのような人に向いている仕事なのか わたしたちの仕事は、基本的に法令等に従って進めていかなければなりませんが、求職者や事業所の方々と電話や窓口で対応する機会が非常に多い仕事でもあります。いくら法律などが頭に入っていても相手にうまく言葉で伝えられなければ意味がありませんし、逆にコミュニケーション能力が高くても法令等が頭に入っていなければ相手を納得させることはできません。法令等を理解する能力とコミュニケーション能力が必要なのはもちろんのこと、冷静沈着かつ常に相手の立場に立って物事を考えられる人に向いている仕事だといえます。 【2016年6月20日記載】
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≪国家公務員の仕事って? その7 【労働行政-2】≫ ハローワークで働く31才の青年労働者から ~「求職者に寄り添って」~ 公共職業安定所(ハローワーク)と聞いて何をイメージするでしょうか。仕事を紹介してもらうところ?雇用保険をもらうところ?実際に働いてわかったのは、決してそれだけの場所ではないという事です。求職者の方と一緒にどのような仕事が向いているか相談したり、事業所の方と一緒にどうしたら良い人が来てくれるか考えたり、実際にはもっとたくさんの業務があります。とは言え、職業紹介が大きな柱であることは間違いありません。もちろん、求職者への対応は簡単ではありません。ほとんどの方が今すぐに仕事を見つけなければならない切羽詰った状況だからです。その中で、本人の希望はもちろんのこと、どのような仕事が合うのか、今までの経験が生かされるのか、資格を取ったほうが良いか等を相談しながら考えます。さらに、履歴書の書き方、面接練習、メンタルケアも行います。当然、応募してもすぐに結果が出るとは限りません。ですから、粘り強く求職者の方に寄り添っていかなければなりません。仕事だから当然と言えばそうですが、この仕事に対する強い熱意がなければつとまりません。逆に言えば、熱意があれば凄くやりがいのある仕事だということです。自分がこの仕事を志望した理由もここにありました。公務員の中でも国民との距離が近い職場だと思っています。労働行政に興味のある方もない方も、ぜひハローワークに足を運んで現場の雰囲気を感じていただければと思います。
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≪国家公務員の仕事って? その7 【労働行政】≫
「労働者の味方」・・・が・・・、
今ピンチ
日本のいたる所で「ブラック」な企業や働き方が蔓延し、労働者の置かれている状況はますます厳しくなっています。憲法で保障された、人間らしく働く権利を守るためには、労働者自身が声を上げることはもちろんですが、法律や規則に基づいて悪質な企業・事業主を監督・指導する行政の役割も重要です。しかし、政府の掲げる「総人件費抑制」方針によって、「労働者のミカタ」であるべき労働行政の体制は大きく後退しています。 地方労働行政の職員数は、グラフにもあるとおり、減少し続けています。2006年度から2015年度の10年間で1,880人もの人員が削減されました。2006年度の人員数を単純に47都道府県数で割ると、1労働局あたり487人の職員数となるため、4局分に相当する人員削減が行われたことになります。 国家公務員の定員削減計画は、2015年度からの5年ごとに基準年度を定め、10%以上(毎年2%以上)を合理化することを基本としています。 そのため、毎年新しい政策が打ち出され、それに必要な人員の要求を行っているものの、査定される増員は計画された削減数に遠く及ばず、実人員が減り続けているのです。

その結果、労働行政の職場はどのようになっているのでしょうか。 例えば、テレビドラマやコミックに取り上げられた「労働基準監督官」のうち、実際に事業所などに出向いて臨検監督を行う監督官は約1,500人しか配置されていません。これでは全国にあるすべての事業所を回るのに25~30年もかかる計算となります。
このような実態ですから、企業の遵法状況は極めて低調です。実際、2015年4月から6月にかけて労働基準監督署は、長時間労働が疑われる2,362事業場に監督指導を行いました。その結果、全体の81.3%にあたる1,921事業場で労働基準関係法令違反が認められたのです。主な法違反は、違法な時間外労働であったものが1,479事業場、賃金不払い残業であったものが252事業場、過重労働による健康障害防止措置を未実施のものが406事業場でした。業種別にみると、運輸交通業で90.7%の法令違反が認められています。法令違反の大部分は違法な時間外労働を行わせていたものであり、慢性的な人員不足とも重なり、過重労働が蔓延していることを伺わせます。

運輸交通業での過重労働は、乗客の命にも関わります。2016年1月15日、スキーバスでの事故により、乗務員を含む15名もの命が奪われました。また、2012年4月29日に関越道で発生したツアーバス事故では、7名の乗客が死亡しました。事故が発生するたびに安全対策が指摘されますが、乗務員の長時間労働を規制し、その状態が保たれていることを点検する労働基準監督官の増員が必要です。 誰しも働いているところが倒産するなどによって失業する可能性があります。そのようなとき、生活を支えるのが公共職業安定所です。雇用保険の失業給付を行うだけではなく、安定した雇用に就くことができるよう職業紹介も行っています。 公共職業安定所、愛称「ハローワーク」は全国に544箇所(出張所や分室などを含む)設置されています。一方、先述のとおり、職員削減が進められる中、職業相談などの基幹的な業務は非常勤職員が担っています。しかし、一年更新で公募まで強いられる不安定な処遇は、「官製ワーキングプア」として各方面から問題指摘されています。また、この非常勤職員を含めても、諸外国に比較すると少ないのが実態です。 厚生労働省が作成している「公共職業安定所の主な取組と実績」によると、職業紹介や事業主指導・支援などの雇用対策を行うハローワークの職員1人当たりの失業者数は、イギリス66人、ドイツ29人、フランス60人に対し、日本は226人と約3.5倍以上の差があります。また、個室で相談するヨーロッパ諸国と違い、カウンターで相談する日本では、プライバシーの確保が難しいといった問題もあります。

政府は「一億総活躍社会」を進めるとしていますが、安心して働き続けることができるだけの規制とそれが守られていることを点検する労働基準監督署。さらに、セーフティーネットである公共職業安定所や労働局の体制を拡充することが必要です。
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